明治32年、日本で最初にサンドイッチを駅弁として発売したのは大船軒だったのです。
当時、サンドイッチは銀座や神戸などの一部の高級洋食店ではメニューにあったらしいのですが、庶民の手の届くものではなく高嶺の花でした。
そんな頃に駅弁としてサンドイッチが売り出されたわけですから、一大ブームとなってしまい、噂はあっという間に広がり売り切れ続出の状態でした。
最初は輸入のハムを使い明治32年に販売を始めたが、ハムを輸入に頼っていては生産が間に合わないと、ハムの自家製造を思い立ちました。
当時、ウイリアム、カーチスという英国人がハム製造を手がけており、その技術を習い早速導入、製造を始めました。
これが「鎌倉ハム富岡商会」の始まりでもあります。
ハムの供給に成功した大船軒の“サンドウイッチ”は、前にも増して好評を博し、順調に売れ行きを伸ばしました。
後もブームは続き、その波は全国へと広がって行き、当時の駅弁業者はこぞってサンドイッチを発売、各自に工夫を凝らした掛け紙で競っていました。
大正初期に創業者の富岡周蔵本人が全国を回って集めた各社のサンドイッチの掛け紙が今も残っております。
鎌倉ハムとチーズを挟んだシンプルなものでした。
サンドの中身は全部鎌倉ハムでマーガリンとカラシマヨネーズの2種類の味が楽しめた。
明治32年に日本で最初に発売された駅弁サンドウィッチ、贅沢な厚切り鎌倉ハムを使用しチーズとハムの二つの味をお楽しみ下さい。
大正二年の販売開始当時、鯵は江ノ島近海で湧く(わく)ように獲れたとの事
大衆魚の王者で、脂肪が多い割にくせが無い旨みの多い魚です。
新井白石はその著書に、「アジとは味なり、その美なるをいう」と書いています。
鯵はイノシン酸が多いので旨みにコクがあります。
大船軒の鯵の押寿しは大正二年販売開始といいますから100年以上もお客様に支持され続けている長寿商品です。
地元大船をはじめ、湘南鎌倉名物として今では神奈川県以外にも、全国的に広く知られるようになっています。
『大船軒鯵の押寿しうす皮こぼれ話』大正二年販売開始よりの伝統製法を継承し鯵の薄皮が付いたままの調理法が特徴です。
歯ごたえのある独特な食感をお楽しみください。